書道とAI時代 習字教室の先生がふと考えたこと

こんにちは。上尾市のお習字教室「もじもじ」のかどいです。

新学期が始まった時に、子どもの学校から「今後、学習にAIを取り入れていきます」という内容のお手紙が配られました。
時代がどんどん変わっていることを改めて実感しながら、ふと、こんなことを考えました。

「こんなにAIやデジタルが進んでいるのに、これからも子どもたちに習字を教える意味って、どこにあるんだろう?」

スマホやタブレットがあれば、わからないことはすぐに調べられるし、手で字を書く機会も昔に比べてずいぶん減っています。
そんな今だからこそ、「手で書くこと」の意味を改めて見つめ直してみたくなりました。

今日は、そんな私自身の思いを少しだけお話ししたいと思います。


AI時代に変わる、学び方と情報との向き合い方

今は、「調べる」というより「聞けば答えが返ってくる」時代。
何か分からないことがあれば、スマホやAIに聞けばすぐに教えてもらえます。

とても便利な一方で、
自分の手を動かして、試して、感じる経験は、意識しないと減ってしまうかもしれません。

知識を得ることと、
体験を通して「できた!」と感じることは、やっぱり違うものだと感じています。


五感を使って学ぶ、書道の時間

書くって、こんなにもたくさんの感覚を使っている

  • 墨のにおいにふっと気づく
  • 筆の重さを手で感じる
  • 半紙の上を筆が運ぶときの、ちょっとした引っかかりやすべりを確かめる

習字は、目で見て、手で感じて、呼吸を整えながら進める、五感をフルに使った時間です。
ただ知識を入れるだけでは得られない、「体で覚える」体験がここにはあります。


AIにはできない、「自分でやってみた」という実感

筆を持って、墨をつけて、一画一画を書いていく。
一枚書き終わるたびに、
「ここがうまくいかなかった」
「今度はもう少し大きく書いてみよう」
と、自分なりに考えて書き直していく。

そんな時間は、
誰かに教えてもらった知識ではなく、自分の手でつかみ取る実感につながります。


習字で育つのは、字のうまさだけじゃない

習字の時間は、きれいな字を書くためだけのものではありません。

  • 姿勢を整える
  • 気持ちを切り替える
  • 思った通りにいかなくても、もう一度やり直す

そんな一つ一つを静かに積み重ねていく時間です。

これからどんなに時代が進んでも、
自分と向き合いながら、試していく力は、きっと子どもたちにとって大切な土台になると思っています。


もじもじで見た、子どもたちの小さな変化

もじもじでは、最初はおそるおそる筆を運んでいた子が、
「もう一回書いてみる!」
と、自分から筆を取る姿をよく見かけます。

うまく書けたかどうかよりも、
自分からもう一度挑戦したいと思えたその気持ちに、大きな意味があるなと、いつも感じています。

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ひとつひとつの体験が、ゆっくり育っていく

これからますます、情報を素早く手に入れられる時代になっていきます。
でも、自分の体を動かして、感じて、つかみ取る経験は、やっぱり大切にしていきたい。

そしてそれは、
習字教室じゃなくても、家で自由に書く時間でも、学校の授業でも、
子どもたちが自分で経験することなら、どんな場所でも大きな意味があると私は思っています。

「もじもじ」は、その一つの場として、
これからも子どもたちの「書くって楽しい!」に出会える瞬間を、そっと応援していきたいと思っています。

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