初めての毛筆でも安心!3年生の授業のお手伝いをして

こんにちは。上尾市のお習字教室✏︎もじもじのかどいです。

先日、学区内の小学校にお手伝いに行ってきました。小学校3年生の毛筆の授業です。練習していたのは、シンプルで奥の深い「土」の字。子どもたちのお手伝いをしながら、集中した表情や、うまく書けたときの笑顔にたくさんのエネルギーをもらいました。

その一方で、「あ、ここでつまずく子が多いんだな」「これを一言伝えられたら、もっと楽しく書けるかも」という場面にも何度も出会いました。

そこで今回は、授業で毛筆をしている若葉マークの小学生のために、書道教室の視点から「ちょっとしたコツ」をまとめてみたいと思います。といっても、難しいことではありません。筆の持ち方、ちょっとした姿勢、片づけの工夫など、どれもすぐにできることばかりです。

教室で子どもたちと関わってきた経験と、実際の学校で感じたことをもとに、毛筆授業を担当している先生にもお届けできたらと思っています。毛筆が「むずかしいもの」ではなく、「書けた!ってうれしい体験」になるように――そんな願いを込めて。


毛筆の授業、こんな場面を見かけました

初めての毛筆、ワクワクドキドキ「どう書けばいいのかな?」の気持ち

3年生の子どもたちが「土」の字に取り組んでいる姿は、見ていてとても微笑ましく、そして真剣でした。「どう書けばいいのかな?」「うまくかけてる?」と、ドキドキワクワクな気持ちが伝わってきます。初めての毛筆に戸惑いながらも、一文字一文字に向き合うその姿に、こちらまで背筋が伸びる思いでした。

よくあるつまずき①:筆を寝かせてしまう → 筆を立てて持つ

その中で、共通して見られたのが「筆の持ち方」です。どうしても鉛筆のように斜めに寝かせてしまう子が多く見られました。毛筆は、筆を立てて持つことで、筆の穂がしっかり紙に触れ、線にメリハリが出てきます。

斜めに持っていると、横線や縦線は書ける(むしろ書きやすい?)かもしれませんが、後々払いや結びの筆運びができなくなってしまいます。

筆の軸は天井に向けるくらい立てて書くと、ぐっとかっこよくなるよ!」と声をかけると、すぐに真似してくれる子もいました。子どもたちの吸収力は本当にすごいですね。

よくあるつまずき②:終筆をすぐに離してしまう → 2秒止まって最後に穂先

もうひとつ目立ったのが、書き終わりの「終筆」の部分。サッと筆を離してしまう子が多く、最後の線がギザギザになったり、止めの形がふわっと崩れてしまったりしていました。

最後に2秒止まってゆっくり持ち上げる、穂先が最後だと、きれいに終われるよ」と伝えると、子どもたちも納得の表情で練習に取り組んでくれました。この“2秒の間”があるだけで、字の印象がまったく変わってくるんです。


これを持っていくと便利!授業がスムーズになる持ち物

学校の毛筆の授業では、必要な道具はあらかじめ学校から伝えられることがほとんどです。筆・墨汁・硯・下敷き・半紙・文鎮など、セットになっているものをそのまま持たせれば基本的には問題ありません。

ですが、実際に授業を見ていて、「あ、これがあればもっとスムーズだったかも」と思う場面がいくつかありました。家庭からちょっとだけ追加で持たせておくと、片づけや準備がスムーズになるおすすめアイテムを紹介します。

1. スポイト or 水差し(墨汁を戻す用)

授業で使い終わった墨汁を容器に戻すとき、子どもたちは硯から直接墨汁容器に戻そうとしていました。注ぎ口が付いている硯もあるので、自分でやってみるのも一つの経験ですよね。ただ、どうしても最初はうまく扱えないもの。

そんなときに活躍するのがスポイト。100円ショップなどで手に入るもので大丈夫です。吸って、戻すだけでとてもスムーズ。スポイトがなければ、習字セットの中に入っている水差しでも代用できます。

2. ビニール袋(汚れ物・ゴミ入れに)

持っていくと意外と重宝するのがビニール袋。墨で汚れた半紙や、使用後のティッシュが入れられる袋があると便利です。

A4サイズが入るくらいのレジ袋だと、破けにくいかもしれません。持っていった時に入れた袋とは別に準備しておくといいでしょう。


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毛筆の授業での子どもたちの様子

授業で出会った3年生たち。筆の持ち方に悩んだり、墨汁を戻すのに手間取ったりしながらも、一字一字と一生懸命に書いていました。

「どう書いたらいいんだろう?」「これで合ってる?」と、ちょっと戸惑いながらも、真剣に考えている様子がとても印象的でした。
うまく書けたときの顔、納得いかなくて何度もやり直す姿、みんなそれぞれ。上手に書けるかどうかだけじゃなく、「ちょっとやってみようかな」と思える時間になっていたらいいな、と静かに願っています。

子どもたちのそんな一コマを見られたこと、私にとっても貴重な経験になりました。